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2015.08.27更新

 ある高齢者が金融機関の職員に騙されて多額のお金を詐取されたケースでした。

 その高齢者からの依頼を受け、その職員の務めていた金融機関を相手に損害賠償の調停を起こしましたが、被害総額を立証する資料が乏しいケースでした。金融機関側は立証資料が少ないことから損害賠償に消極的であり、調停は行き詰まった状況でした。そこでその高齢者が日記代わりに吹き込んでいたカセット式の録音テープがあったことを思い出し、もしかしたら、そのカセットテープに被害状況や被害金額を表すものが吹き込まれている可能性があると考え、そのテープを反訳し、資料として提出することを試みました。

 録音テープは60分くらいのもので100巻以上あり、大部分が日常の何気ない出来事を吹き込んでいるだけのものでした。ただ、その中に金融機関からいくらのお金をおろし、それを加害者の男に渡したことなども吹き込まれている個所を見つけました。そこで、それらの個所を膨大な時間と労力をかけつつ丹念に拾い出す作業を繰り返し、結果、金銭交付状況を述べている部分を特定し、その部分の反訳と録音テープの該当箇所を示す資料を録音テープとともに提出することができました。

 金融機関側は本件テープの信用性、つまり、これが日常の出来事をそのまま述べたものであることについて特に争わなかったため、結果、損害総額の証明が相当程度なされたことを前提に、当初想定をしていた金額よりも何倍も多い金額で調停を成立させることができました。

 本件では依頼者の方が自分の受けた被害額を簡単に証明できないほど高額の資産家であり、かつ、金融取引も極めて多い方だったので立証の困難が生じたケースでしたが、労をいとわず、あきらめずに地道な努力を続けたおかげで高額の賠償が得られたケースでした。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

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