「なんでも相談できる」弁護士を目指して。

2016.11.15更新

 私の扱ったケースで、被相続人が先妻を亡くした後にかなり年の離れた女性と再婚したところ、被相続人がその後妻に対してすべての財産を相続させる旨の自筆の遺言書を残して亡くなったケースがありました。依頼者は前妻の子であり、後妻が被相続人の財産目当てに被相続人と結婚したもので、遺言書も後妻が偽造したものであるという訴えをしたいという相談でした。
 このケースでは、遺言書検認手続きの後に遺言書を民間の業者に依頼して筆跡鑑定を行ってもらいました。そして、後妻に対しては遺留分減殺調停を申立てて、その中で再婚の問題点や遺言書の偽造などについて話を聞いてもらったうえ、依頼者に対して後妻から遺留分による価額賠償としてある程度の支払いを受けることで調停が成立しました。

 高齢化が進むにしたがい、本件のような争いも今後増えてゆくのではないかと思われます。

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.08.20更新

 借地上建物を相続する際にこれが特に居住者のいない空家だった場合、遺産分割において特定の相続人が取得するのではなく、共有状態のまま相続人全員が承継した状態になることがあります。

 この場合、建物を他人に貸して賃料が得られるようであればいいのですが、誰も借り手がいないような場合、単に借地料を支払っているだけの建物になってしまいます。仮に、借り手が付きそうだったとしても、現実に賃貸に出すにはそれなりのリフォーム代をかけなければならず、その際、相続人間で費用負担で揉めたりして、結局、賃貸に出すことができなかったりします。

 賃貸に出すのが難しいからといって、建物を売却するのも難しい問題があります。地主に借地権ごと買い取ってもらおうと思っても地主が購入に乗り気でなければどうにもなりませんし、第三者の買い手が見つかったとしても、今度は借地権の譲渡について地主の承諾を得なければなりません。しかし、地主の承諾を得る際には地主に対して相当額の承諾料を支払わなければならないのが一般的であり、この承諾料で折り合いがつかないとなると借地権の譲渡承諾許可を得るための裁判を起こさなければならなかったりします。

 建物の賃貸も売却も困難ということになれば、最後は借地契約を終了させてしまうことが考えられます。しかし、借地契約を終了させたとしても、現状回復して土地を返還する必要がありますから、その際建物を取り壊して更地にする費用の負担がまた問題となります。

 このように利用価値の乏しい借地上建物を相続した場合、色々と困難な問題が生じることになります。

 しかも、相続人の中には相続があった事実すら知らない場合もあり、さらに問題を複雑化させる場合もあります。これは相続の場合一般に起きうることですが、例えば、若い時に父親と母親が離婚し、その後に先妻の子と後妻の子が連絡を取り合っていないような場合、父親が数十年後に死亡しても先妻の子はこの事実を知らない場合があります。そこで、父親が借地上建物を有していた場合、先妻の子は知らぬ間に前述したような負担がかかっていたなどということが起きるのです(相続の事実を知った後に相続放棄することは可能です)。 このような場合、相続人探しから始め、相続人同士で処理方法と負担の内容と割合について合意をしなければならないので、解決まで大きな労力を使うことになります。いわゆる空き家問題の難しさはこのようなところにもあると思います。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.08.19更新

 判決で金銭支払いを命じる勝訴判決を得たとしても、相手方がその支払いをしない場合は強制執行を検討することになります。

 金銭の支払いを目的とする債権についての強制執行は、確定した勝訴判決など、債務名義と呼ばれる文書に基づいて相手方(債務者)の財産を差押え、これを換価して最終的に債権者に金銭の満足を得させるための手続きです。

 強制執行の対象は、主に不動産や、給与、預金、売掛金などの債権、動産があります。相手方にこれらの財産が存在し、これを特定することができる場合に強制執行の手続きを取ることが可能になりますが、逆に、これら財産の存否が分からなかったり、存在することは分かっても特定ができない場合には強制執行が困難になります。

 また、相手方が不動産を所有していることが分かったとしても、住宅ローンなどの抵当権が先に設定されており、不動産の価値よりもこれらの残債権の方が多ければ、強制執行手続きは進められないことになります。動産への強制執行の場合も動産が相当程度高価なものでなければ行えません。強制執行のハードルは意外と高いので、手続きを行うにあたっては担当の弁護士とよく相談する必要があります。

 強制執行手続きは判決までの手続きとは別個の手続きです。そのため、弁護士費用についても判決までの分とは別個に定められるのが通常です。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.08.13更新

 毎年7月から8月にかけては裁判所が夏の休廷期間に入ります。訴訟の場合、それまで1ヶ月から1ヶ月半くらいのペースで法廷が開かれていたものが、この期間は20日間くらいまったく法廷が開かれなくなります。

 この期間を称して、「裁判所の夏休み」というような言い方をしたりすることがありますが、法廷審理が開かれないだけで、裁判所自体は休みではないので、例えば訴訟の提起や書面の提出などは通常通り受け付けています。また、裁判官は休廷期間中であっても、判決の起案その他の仕事をまとまって行っているようであり、結構忙しいようです。

 このような休廷期間があるため、休廷明けの9月初旬頃は法廷審理が集中したりします。これは弁護士にとっては法廷審理に間に合わせるための書面の提出時期が8月下旬頃に集中することにつながり、これが夏休みの宿題のようなもので、結構大変だったりするのです。こんな時は、もう少し日頃から準備をしておけばと少し後悔したりもします。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.08.03更新

 相続関係のご相談で最近多いのが遺留分に関するご相談です。

遺留分とは、被相続人の遺言によっても侵害しえない、兄弟姉妹以外の相続人が有する権利です(民法1028条)。相続権は兄弟姉妹にも権利が生じることがありますが(民法889条2項)、遺留分は兄弟姉妹にはありません。

 例えば、遺言書で長男だけにすべての財産を相続させるような遺言がされたような場合、他の相続人は自分の遺留分が侵害されたとしてその減殺請求というものができることになります。そして、遺留分の減殺請求がされれば、遺言で認められた一部の財産の返還や価額賠償などが行われることになります。その際に返還する物や価額の算定を巡って意見が合わな場合、ここで事実上の相続争いのようなことが起きるわけです。したがって、遺言書を作っておけば相続争いを防止できるということはなく、遺言書をきっかけとして相続争いが勃発することもあるわけであり、遺言書を作る際にはこのような遺留分のことも念頭においておく必要があります。

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.08.01更新

 よく、「専門は何ですか。」と聞かれることがあるのですが、その際にどのように答えればよいか迷ってしまうことがよくあります。

 弁護士が扱う分野には、労働、倒産、債権回収、損害賠償、企業法務、知的財産権、著作権、医療、建築紛争、消費者、不動産取引、家事、刑事など様々な分野があり,その中で専門分野と言えるものを有する弁護士もいますが、多くの弁護士は多様な分野を扱っており、特に専門というものがない人も多いのではないかと思います。私自身も何か特定の分野を多く扱っているわけでもなく、しいて言えば、相続事件、交通事故や詐欺などが絡む損害賠償事件などが比較的多い方ですが、他にも離婚事件や債権回収なども多く、倒産、労働、刑事事件などを受任することもあります。

 そこで、専門は何かと聞かれると、つい、「民事関係全般を取り扱っている」と答えてしまう場合が多く、これではほとんど質問に対する答えになっていないのですが、質問された方に対しては補足説明をしてそれなりに納得してもらっている次第です。

 弁護士としてはある程度様々な分野に対応できるようにしたいと思う一方で、特定の分野に特化してその分野で強みを発揮することも重要ではないかと考えています。それはそれで大変な面もありますが、私としては今後は相続や個人情報保護法の分野などに力を入れられたらと思っています。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.04.22更新

 相続税については連帯納付義務の制度があります。これは同一の被相続人から相続または遺贈によって財産を取得した人は、その相続税または贈与税について互いに連帯して納付する義務を負うというものです(相続税法34条1項)。

 つまり、相続税の連帯納付制度では、自分の相続税を支払っても他の相続人が相続税を支払っていなければ、その分も自分が支払わなくてはならなくなるのです。しかし、他の相続人の相続税の支払い状況などは必ずしも分かるわけではありませんから、まさに突然他の相続人の相続税支払い義務を負わされてしまうことになりかねません。

 なお、現在は納付義務から5年を経た場合、他の納付義務者が延滞納付の許可を受けた場合などはこの連帯納付の義務は課せられないことになっています。

 

 連帯納付義務の範囲は自分の受けた利益の価額が限度とされていますが、不動産を相続財産として取得した場合には相続時の財産が基準になります。すると、不動産を売ってその代金で連帯納付をしようとしても、既に不動産の価額が相続時よりも下落していたような場合には不動産を売っただけでは連帯納付義務を履行できない場合も生じます。そうなると受けた利益の価額を限度とするとはいっても、現実には取得した不動産以上の支出を強いられることになりかねません。

このような制度がある以上、相続税を課せられる相続人が複数いる場合には何らかの工夫をしておくことも考えなければならなくなるでしょう。

 

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.04.11更新

 贈与税は贈与にともなって贈与を受けた人(受贈者)が支払うべき税金であり、相続税など他の税金よりも税率が高くなっています。

 問題は、この贈与税については贈与を受けた側(受贈者)がこれを支払わないと、贈与をした側(贈与者)にも連帯納付の義務が課せられることです(相続税法34条4項)。

 この場合、贈与者は贈与をしたうえに、その贈与税まで払わなくてはいけないことにjなりますが、受贈者の贈与税の支払い状況についてはこれを税務署が贈与者に対して通知する必要がありません。そのため、贈与者にとっては突然、贈与税の納付通知を受けることになりかねず、やりきれない気持ちになってしまいます。このようなことが起きないためには、贈与の際に贈与税の支払いについてもよく確認しておくことが必要になります。

 

 さらに、この連帯納付義務によって贈与者が贈与税を支払った後にも注意する点があります。贈与者が贈与税を支払った場合、贈与者は受贈者に対して支払った分の求償権を持つことになりますが、受贈者に対してこの求償権をうっかり免除してしまうと、受贈者に対してさらなる贈与があったとみなされてしまう恐れがあることです。

 この場合、免除の理由が受贈者が資力を喪失したことによるのであれば、贈与があったとみなされることはありませんが(相続税法8条ただし書き)、贈与をする際には税金の処理について色々なことに気をつけなければならないものです。

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.04.11更新

 2015年4月から事務所を移転しました。

 これまで東京市ヶ谷の地に15年間事務所を構えていましたが、この度、港区新橋に移りました。最寄駅は都営三田線の内幸町駅になりますが、新橋駅や虎ノ門駅も利用することができます。新事務所からは東京地方裁判所や弁護士会館なども徒歩で行けるので、とても便利になりました。

 事務所が変わり、周囲の環境も変わり、心機一転頑張ってゆこうと思います。これからも今までと同様、精一杯の法的サービスに努めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.03.22更新

 裁判に勝訴した時には訴訟費用の全部または一部を相手方の負担とする判決が下されますが、この「訴訟費用」は、「民事訴訟費用等に関する法律」所定のものをいい、申立手数料や記録の送達費用、当事者や代理人の旅費、日当などがこれに含まれます。しかし、訴訟費用の中には、いわゆる弁護士費用は基本的に含まれず、したがって、弁護士に依頼して訴訟を起こして勝訴したとしても、自分の弁護士費用を訴訟費用としてこれを相手に負担させることはできません。この点、弁護士費用については勝訴すれば当然に相手に請求できると考えている方もおられるので注意が必要です。

 ただし、弁護士費用については、交通事故などで損害賠償請求をする場合において損害の一部として請求できる場合があります。これは不法行為の請求ではケースによって弁護士費用も不法行為と相当因果関係のある損害の一つに含まれると考えられているからです。このような場合は事実上、弁護士費用の一部を相手に負担させることが可能になります(なお、負担を命じられた弁護士費用について現実の支払いを受けられるかは別の問題です)。

 

 訴訟費用は敗訴した側が負担するのが原則ですが、負担割合は必ずしも全部が敗訴者の負担となるわけではありません。また、判決の主文では負担額までは定められず、負担額を定めるには訴訟費用額確定手続という別の申立てをすることが必要になります。そのような手間がかかることからか、訴訟費用についての申立てを行い、これを行使することはそれほど多くはないようです。

 

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

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