「なんでも相談できる」弁護士を目指して。

2015.03.14更新

 民事裁判と刑事裁判の違いについて、民事裁判で登場する当事者は原告と被告であり、このそれぞれについて代理人として弁護士がつく場合、「原告代理人弁護士」、「被告代理人弁護士」と呼ばれます。

 これに対し、刑事裁判では検察官と被告人が当事者となります。そして、被告人につく弁護士は「被告人弁護士」ではなく、「被告人弁護人」と呼ばれます。この辺も少しややこしい点です。

 

 裁判の進行の仕方も異なります。刑事裁判では一回の裁判に十分時間を使って審理が行われますが、民事裁判の通常の弁論では、一回の裁判で費やされる時間は数分程度です。これは民事裁判では事前に主張、反論、証拠などが書面にまとめられて提出されており、口頭でのやり取りは行われないことや、証人尋問など時間のかかる手続きは別の日に行われるからです。ですので、民事裁判では同時刻に複数の事件が順次進行してゆくので、初めて民事裁判を傍聴された場合、その進行の速さに驚かれるのではないかと思います。

  判決宣告について、民事裁判では判決宣告時に原告、被告、その代理人弁護士らが出席していなくても判決が読み上げられますが(出席するかしないかは自由です)、刑事裁判では検察官、被告人、弁護人らが必ず出席したうえで判決が読み上げられます。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.03.14更新

 裁判というと大きく民事裁判と刑事裁判の2つに分けられますが、この2つの裁判の中身はかなり異なります。したがって、単に裁判と言った場合、そのどちらを指すのかによって話しの内容も当然異なってきます。

 まず、民事裁判は基本的に私人と私人の間で行われ、これに対し、刑事裁判は国家と私人の間で行われます。

 ただ、ここで少しややこしいのが、民事では訴える側を「原告」、訴えを起こされる側を「被告」といいますが、刑事裁判でも訴えられる側を「被告人」といわれることです。そして、事件名では、例えば「覚せい剤取締法違反被告事件」というように「被告」という言い方がされることで、「被告」という言い方がされた場合、民事での被告を指す場合もあれば、刑事での被告人を指す場合もあってややこしくなのです。そのようなことがあるからなのか、民事で訴えを起こされた側が「被告」と呼ばれることについて、何か犯罪を起こして裁判を起こされたような印象を持たれ、不快に感じることもあるようです。しかし、民事で訴えられること自体には犯罪を犯したという意味をまったく含みませんので、ご留意ください。

 

 つぎに、民事裁判と刑事裁判では、審理の対象、つまり訴えによって求めるものも異なります。民事裁判では貸金や損害賠償などで相手(被告)に金銭の請求をしたり、不動産の売買によって登記の移転を求めたりといったことが審理の対象となりますが、刑事の裁判では、検察官によって要求された犯罪の有無と刑罰の程度、例えば強盗によって懲役何年の刑かといったことが審理の対象となります。

 

 ただし、犯罪が行われた場合、刑事の裁判が行われるのとともに、犯罪の被害者が加害者に対して損害賠償の民事裁判を起こすこともあります。このような場合、刑事の裁判と民事の裁判が1つの事件をめぐって2つ存在するわけであり、そこでは民事裁判と刑事裁判が関連を有することになります。

 

 

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.02.21更新

 借金が増えて返済に追われるようになった場合は早めに対応することが必要です。対応が遅れるほど選択肢が限られてしまうからです。

 まず自分自身で返済計画が立てられ、それが確実に実行できる場合はそれによることになりますが、返済計画をたてるのが困難だったり、返済計画を立ててもそれが守られないような場合、債務の処理についていくつかの方法を考えることになります。

 通常通りの返済が困難になった場合、債権者と1社づつ交渉して返済計画を立てる債務整理の方法がまず考えられます。債務整理は裁判上の制度ではありませんので手続的な負担はありませんが、個々の債権者ごとに返済交渉を行わなければならず、返済条件も債権者ごとに違うことになります。そのため、債権者数が多い場合や返済総額が予想以上に多くなる場合にはにはこの方法では難しい場合があります。

 つぎに考えられる方法として、民事再生法による個人再生があります。個人再生には小規模型や給与所得者型などいくつかの類型がありますが、小規模型であれば、例えば債務総額の20%(ただし債務総額3000万円以下の場合)か100万円の多い方の金額を3年間の分割で支払い、残りの金額を免除してもうらうということができます。ただし、個人再生は継続的な収入がある人が対象になります。

 最後に、破産手続開始決定を得たうえで債務全額について免責を得る方法があります。破産決定を受ける際には様々な要件や制限もありますし、税金などの一定の債務については免責の対象になりません。また、免責対象になる債務についても浪費行為や詐欺的な借り入れなどでその程度がひどい場合には免責が許可されないケースもあります。

 借金は増やさないのが望ましいのですが、カードでのショッピングやスマートフォンの分割払い、自動車ローンなど、あまり負債として意識していないものも含めればそれなりに負債はあるものです。返済がスムーズに行かなかったり、返済のために借り入れが増え、それが自分でコントロールできなくなったら早めに専門家に相談することをお勧めします。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.02.21更新

 2006年4月に労働審判制度がスタートしましたが、以降、この制度が予想以上に多く利用されてきました。

 労働審判とは、労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(個別労働紛争)に関し、裁判官1名と労使の専門家2名で構成する委員会で事件を審理し、調停をによる解決を試みて、調停が成立しない場合にも労働審判を行う手続をいいます(労働審判法第1条)。労働審判制度の発足以来、これが多く利用されるようになった理由の1つには解決の迅速性が挙げられるでしょう。

 それまで個別労働紛争に関する裁判(本訴や仮処分)では解決まで相当の時間がかかっていました。しかし、労働審判手続では原則として3回以内で審理を終結することとされ、結論までの時間が大幅に短縮されました。実際には1回か2回の審理で解決することも多いようであり、このような解決までの速さが多くの利用者を生むことになりました。

 ただし、労働者側が労働審判を申立てるに際しては十分な準備をしてからこれを行うことができますが、申し立てを受けた事業主側にとっては短期間で多くのことを準備しなければならないことになり、申立てを受ける側にとっては短期間での解決を図られる分、負担の大きいものになっていると思います。

 
 また、労働審判では裁判官の他に労働関係に関する専門的な知識を有する労使の専門家が2名つくことにより、労使双方の意見が解決にあたって反映されるという特長を有しています。このような労使の専門家による関与により、客観性、専門性が担保され、ひいては労働審判制度への信頼が高まったことがこの制度が多く利用されるようになった背景にあるでしょう。
 
 労働審判制度は労働者と事業主の間に生じた紛争を解決するものであるので、上司からのセクハラやパワハラに対してその上司を相手として申し立てることはできません。ただ、この場合でも事業主の責任を問題として事業主を相手として労働審判を申し立てることは可能です。
 
 
 

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.01.06更新

 相続人の範囲と法定相続分についてははご存知の方も多いと思いますが、相続の問題の基本なのでよく確認をしておきたいと思います。

 まず、相続人の範囲として法定相続人には誰がなるかですが、亡くなった人(被相続人といいます)に配偶者がいれば配偶者は常に相続人になります。

 被相続人に子がいれば子も相続人になります(相続の欠格や排除の場合を除きます)。子が既に亡くなっている場合、その子が相続人(代襲相続人)になりますが、配偶者については代襲相続はありません。

 配偶者と子が相続人の場合の法定相続分は、配偶者が2分の1、子が2分の1であり、子が複数いる場合、子同士は平等の割合の相続分となります。例えば配偶者と子2人の場合、配偶者は2分の1、子はそれぞれ4分の1づつの法定相続分となります。相続放棄をした人がいる場合、その人は最初から相続人ではなかったものとみなされるので、子の1人が相続放棄をした場合、もう1人の子の相続分が2分の1になり、配偶者の相続分が2分の1から増えることにはなりません。

 配偶者がおらず、子が2人だけだった場合、子が2分の1づつの法定相続分を持つことになります。子は実子か養子かによって法定相続分に違いはありません。

 

 つぎに、被相続人に子がいない場合は直系尊属が相続人となります。直系尊属とは被相続人の父や母であり、父、母が2人ともいない場合は祖父母になります。配偶者と直系尊属が法定相続人の場合、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1の法定相続分になります。

 

 最後に、被相続人に子も直系尊属もいない場合、兄弟姉妹が法定相続人になります。兄弟姉妹が既に亡くなっている場合はその子が代襲相続人になります。配偶者と兄弟姉妹が法定相続人の場合、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1の法定相続分になります。

 

 ところで、高齢の人が亡くなったような場合、亡くなった人に子がいなければ直系尊属にあたる人も既に亡くなっている場合が多く、結果的に兄弟姉妹やその子(甥や姪)が相続人になる場合があります。昔は子の数が今よりも多かったため、兄弟姉妹の数も多く、これら相続人を確認するための戸籍の取り寄せだけでかなりの手間がかかったりします。

 そして、甥や姪が法定相続人になるような場合、法定相続人の数も多く、被相続人の配偶者や法定相続人同士でまったく面識がないようなこともあります。このような場合の遺産分割協議の交渉を依頼された場合、代理人弁護士として苦労も多いものですが、結果的に遺産分割協議が円満解決することによってそのような苦労も報われます。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2014.12.26更新

 破産事件においては、破産者に特に財産がなく、破産手続費用もまかなえないような場合、破産手続の開始決定がされると同時にこれを廃止する決定がされます(破産法216条1項)。これを同時廃止事件といい、破産管財人が選任されることもなく破産手続きは終了し、あとは破産者の債務の免除(免責といいます)についての審理がされることになります。東京地裁ではこの同時廃止事件における免責審尋を同時刻に複数の人に行う方式を取っているため、一度に大勢の人が法廷に集まり、順次手続が行われることになります。

 

 免責審尋の日には破産者と弁護士の代理人が出席しますが、両者が揃わないと法廷内に入れません。遅刻をすると、裁判官から遅刻の理由について説明するよう求められたり、その日に免責審尋を受けられなくなる可能性もあるので、弁護士にとっては破産者が指定された時間近くになっても表れないと大変あせることになります。

 破産者と弁護士が揃い、集まった人全員が法廷に入ると、40席以上ありそうな傍聴席が一杯になり、着席できない人もでてきます。これらの人達に対して限りある時間の中で手続を行ってゆくので、1人に対して時間をかけることはしません。破産者は自分の順番が来ると当事者席に座り、裁判官から本人であることの確認と住所、本籍等の変更の有無について聞かれます。破産者はそれに対して答えるだけで基本的にこの日の手続は終わり、この間、時間にしてほんの数十秒で法廷を出ることになります。

 

 その後、免責を許可してよいかどうかを裁判官が審理し、決定します。破産者の免責については、既に破産手続開始申立ての段階でチェックがされ、免責について問題がありそうだったり、これを調査した方がよいケースについては破産管財人が付けられ、免責について特に問題がないケースだけが同時廃止事件とされます。そのため、同時廃止事件においては、免責について問題となるケースは多くないと思われますが、たまに申立て段階では明らかにならなかった問題が債権者からの指摘などで問題にされることがあります。

 

 債権者からの意見もなく、特に免責について問題とするような事由がない場合、免責審尋の日から10日くらいで免責を許可する旨の決定が裁判所から弁護士宛に届くことになります。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2014.12.25更新

 遺産分割の進め方にはいくつかの方法があります。遺言による分割方法の指定にしたがって行う場合、共同相続人の協議によって行う場合、裁判所を通じて行う場合であり、裁判所を通じて行う場合には、まず家庭裁判所において調停が行われ(調停分割)、次に、調停が調わない場合に審判が行われます(審判分割)。

 

 遺産分割においては、共同相続人の間で協議が調えば基本的にそれにしたがった分割がなされます。これはたとえ遺言で分割方法が指定されていたとしても、遺言執行者がいない場合においては、遺言の分割方法の指定によらない分割も可能とされています。

 さらに判例は、共同相続人の全員が既に成立している遺産分割協議の全部または一部を合意により解除した上、改めて遺産分割協議をすることも法律上、当然に妨げられるものではないとしています(最高裁平成2年9月27日)。

 そして、共同相続人間での協議がどうしても調わない場合に、最終的に家庭裁判所の審判に委ねられ、家庭裁判所において相続分にしたがった分割がされることになります。

 

 これに対し、相続債務(消極財産)についての分割は少し状況が異なります。相続債務についても、相続人間での協議によって自由にこれを分割することは可能ですが、もともと相続人は債権者に対して相続分に応じた債務を負っており、基本的にこの負担部分を免れることはできません。したがって、他の相続人の負担部分を引き受ける旨の合意は可能であっても、これを免れる合意は債権者には対抗することができず、相続分に応じた責任を各相続人が負うことになります。また、相続債務について特に分割の定めをしなかった場合でも、金銭債務などの可分債務については相続分に応じて各相続人に帰属していると考えるので、各相続人は債権者に対して相続分に応じた責任を負うことになります(したがって、可分債務については、複数の相続人がいる場合は債務全額を負担しなくて済むことになります。)。

 

 このように、遺産分割はプラスの財産である相続財産についてはかなり自由度の高い分割が許されますが、相続債務の分割は、債権者との関係で一定の制約を受けることになります。この点、遺産分割協議が債権者による詐害行為取消権行使の対象になるとした判例もありますので(最高裁平成11年6月11日)、注意が必要です。

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2014.12.23更新

 相続税法が改正され、平成27年1月1日以後に相続または遺贈により取得する財産にかかる相続税について、遺産にかかる基礎控除額が引き下げられることになりました。

 

 これまでは5000万円に加え、1000万円に法定相続人数を乗じた額が基礎控除額とされていました。たとえば、法定相続人が配偶者と子供2人だった場合、5000万円+(1000万円×3人)=8000万円が基礎控除額でした。このように基礎控除額がある程度高かったため、相続税が課せられるケースは相続全体の4%程度にすぎず、実状では相続税のことを心配するのは一部の人に限られていました。

 

 ところが、今般の改正では基礎控除額がこれまでの6割に減額されました。改正後は上記と同様のケースでの基礎控除額は、3000万円+(600万円×3人)=4800万円となりますので、従来に比して相続税が課せられるケースはかなり増えることが予想されます。

 

 相続税が課せられるのに申告をしないと、無申告加算税も課せられてしまいます。相続税が課せられるのは一部の資産家だけという思い込みがあると危険であり、特に不動産をお持ちの方は評価の問題がからむため注意が必要です。今後は相続税の問題はどこの家庭にでも起こり得る問題であると考えおくことが大切です。

 

 

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2014.12.23更新

 交通事故に遭った場合に弁護士を通じて加害者側と交渉したり、訴訟を起こす際には、弁護士への相談料、着手金、報酬金などの弁護士費用が発生します。この弁護士費用を自動車保険などの特約で賄うものが弁護士保険と呼ばれるものです。

 

 弁護士保険については加入しているか否かを契約者自身が知らなかったり、弁護士保険の存在を意識してなかったりする場合があります。実際、弁護士保険の加入者数に比べ、弁護士保険を利用された方はまだまだ少ないようです。せっかく弁護士保険に入っているのにそれを利用しなかったり、弁護士費用がかかると思って相手への請求をあきらめてしまったら大変もったいないことです。私が交通事故の相談を受ける際には、必ず相談者の方に弁護士保険の加入の有無について確認してもらうようにしています。

 

 弁護士保険は自分自身が被害に遭った場合だけではなく、ご家族が事故に遭った場合や、自転車による事故、盗難被害その他日常生活上の事故にも利用できることがあります。また、日本弁護士連合会と協定を結んだ保険会社などの場合、弁護士会を通じて近くの弁護士を紹介する制度もあります。弁護士保険の具体的な内容や補償される範囲などはご加入の保険会社に確認してもらうのがよいでしょう。

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2014.12.20更新

 借地権付建物を譲渡しようとする場合、通常は借地権設定者である地主の承諾が必要であり、地主の承諾なく建物を無断で譲渡をすれば、地主は借地契約を解除することができます(民法612条)。そこで借地権者としては建物の譲渡について地主の承諾を得るために相応の承諾料の支払いを申し出たりしますが、それでも承諾が得られないような場合には、承諾に代わる許可を得るための裁判を申立てることができます(借地借家法19条1項)。この申立ては借地権付建物を譲渡する前にしなければなりません。

 

 この裁判においては、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡等を必要とする事情等が考慮されますが(借地借家法19条2項)、譲渡自体が地主にとって不利となるような特別な場合を除いて基本的に譲渡は認められ、後は譲渡の際の承諾料が定められることになります。承諾料については概ね借地権価格の1割程度であるとされています。

 

 一方、譲渡を許可される地主としては、この裁判の中で自らが賃借権付建物を買い受けることを申し立てることができます。この場合、当初の建物の買受予定者よりも地主の申し出が優先し、裁判所は相当の対価を定めて賃借権付建物を地主に譲渡することを命ずることができます。ただし、賃借人の譲渡許可の裁判そのものが取り下げたりすると、地主への譲渡命令も効力を失うことになります(借地借家法19条3項4項)。

 

 このように、借地権付建物の譲渡に際しては裁判所が間に入ってこれを許可する制度がありますので、賃貸人、賃借人間で協議が調いそうもない場合はこれを利用することを検討するとよいでしょう。

 

 なお、このような地主の承諾に代わる許可を得る裁判の制度は、競売等で借地権付建物を取得した場合においても認められています(借地借家法20条)。

 

 

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

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