「なんでも相談できる」弁護士を目指して。

2014.11.24更新

 「知り合いにお金を貸したけれども返ってこない。」という相談をよく受けます。相談を受けた弁護士としては、借りた人に対して返還交渉したり、訴訟を提起したりといった行動を起こすわけですが、たとえ最終的に判決で貸金の返還が命じられたとしても、実際の貸金回収には困難をきたすことが多くあります。そうなると好意で行ったことが仇となり、それまでの信頼関係も破壊されてしまいます。知人間でのお金の貸し借りはトラブルや後味が悪くなることが多く、めったなことで行うものではないと感じさせられます。返済トラブル防止の第一はお金を貸さないことです。

 

 そもそも、人にお金を貸した場合にそれが返ってくるかどうかは、相手の返済意思と返済能力の2つにかかっています。返済意思が主観的なものであるのに対し、返済能力はその人の収入や財産、他からお金を調達する能力など客観的なものであり、両者は異なります。返済意思があっても返済能力がない場合もあれば、返済能力はあっても返済意思がない場合、その双方がない場合もあります。返済意思と返済能力の2つが揃わなければ返済されないということはある意味で当然のことですが、友人、知人間の金の貸し借りでは、しばしばこの2つが混同され、特に相手の返済能力を見誤ったり、よく確認せぬままお金を貸してしまうことがよく見受けられます。

 

 たとえば、「必ず返すから。」と言われてお金を貸したのに期限までにお金が返らないことがあります。この場合、借りた側としては、相手を騙そうとして借りたわけではなく、返済意思はあったとしても、実際に返済能力がなければ期限までにお金を返済することは不可能です。ところが、貸した側はお金が返らないと騙されたような気持になり、相手の返済意思について疑念を抱くことがあります。しかし、貸す側としては、「必ず返す」というのは返済意思についての相手の説明にすぎないと考え、「必ず返す」ことが可能かという返済能力を別に検討することの方が重要です。

 

 このように、お金を貸す際には返済意思と返済能力を分けて検討することで、貸すのか否か、貸す場合の条件、貸さない場合のうまい断り方、回収の方法等を冷静に判断することにつながり、結果的に返済トラブルを防止することにつながります。

 

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2014.11.21更新

 賃貸借契約において契約が更新がされる場合に、いわゆる更新料の支払いが問題になることがあります。

 

 まず、賃貸借契約書において更新料の支払いが記載されている場合、そもそもこのような更新料条項が消費者契約法に違反して無効とならないでしょうか。この点について最高裁判所は、更新料額が賃料の額、更新される期間等に照らし高額過ぎるなどの特段の事情がない限り、消費者契約法違反にはならないとしました(最高裁平成23年7月15日判決)。したがって、賃貸借契約書の更新料条項自体を無効として争うことはなかなか困難であると考えられます。

 

 では、更新料条項を無効にできないとしても、法定更新の場合には更新料条項の適用がないとしてその支払いを免れることはできないでしょうか。賃貸借契約の契約更新には、賃貸人と賃借人との合意によって更新がされる場合と、特に合意がされずに更新がされる場合があります。後者は法定更新と呼ばれるものですが、法定更新の場合の更新料条項の適用の有無については、更新料の意義の捉え方や契約文言などの違いもあり、裁判例も分かれているようです。ここでは最近の裁判例の一つとして平成25年3月18日の東京地裁判決を見てみたいと思います。

 

 この事案では契約条項に、「更新の期限を経過した場合といえども更新料を貸主に支払わなければならない。」旨が定められていました。ここで裁判所は、法定更新時に更新料支払い義務を免除することを明記していないことや、当事者の合理的意思解釈などから、この契約条項が法定更新の場合も所定の更新料を支払う義務を定めたものと解するのが相当であるとしました。つまり、裁判所はここでは法定更新の場合でも更新料の支払い義務があるとしたのです。ただし、一方で、本件では賃借人が更新料の支払い義務を怠ったことによって当事者間の信頼関係が破壊されたというべきではないとして、賃貸人からの契約解除は認めませんでした。

 

 この判例を見てみると、契約条項の記載や当事者の意思解釈などが法定更新における更新料支払い義務に影響を与えていることが分かります。そうすると、今後は更新料不払いの場合の契約解除の可否の問題も含めて、賃貸借契約の更新料条項の記載のあり方が重要な問題になってくるのではないかと思われます。

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2014.11.20更新

 交通事故において発生する損害項目の中に「慰謝料」というものがあります。この「慰謝料」には大きく分けて、傷害によるもの、死亡によるもの、後遺症によるものの3つがあります。

 

 これら慰謝料はいずれも交通事故によって生じる可能性のあるものですが、ケースによっては傷害による慰謝料だけが認められる場合もあれば、傷害による慰謝料と後遺症による慰謝料の2つが認められる場合もあります。また、傷害による慰謝料と死亡による慰謝料が認められる場合もあります。

 

 傷害による慰謝料は、原則として入院、通院の期間を基に算定され、死亡による慰謝料は、一家の支柱か否かなどの基準を基に算定され、後遺症による慰謝料は、後遺障害等級を基に算定されてゆきます。でも、これらの算定基準はあくまで一つの目安であって、具体的な金額についてはそれぞれのケースに応じて通院の状況や受傷の内容、程度等によって異なるものであることに留意する必要があります。

 

 このように交通事故における慰謝料といった場合、3つの慰謝料を念頭においたうえで、当該事案ではどのような内容の慰謝料が認められるのか、それらはどのような基準によって算定すべきかを把握した上で、当該事案では具体的にどのような金額が妥当なのかを決定してゆくことになります。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2014.11.19更新

 遺言書を作成しておくメリットとして、まず挙げられるのが、自分の財産を自分の意思にしたがって処分できるということでしょう。もし、遺言書がないと基本的に法定相続人による遺産分割協議が行われることになり、そこでは必ずしも遺言者の望むような遺産分割がなされるとは限りません。

 その意味で自分の意思にしたがった相続を望むには遺言書を作成しておくことが必要ですが、ただし、遺言書を作成しても、兄弟姉妹以外の相続人には「遺留分」という権利があります(逆に言えば、兄弟姉妹には遺留分はありません)。そのため、遺言書のとおりに遺産が分けられようになるには、これら相続人の遺留分を侵害しないような内容の遺言書を作成するか、仮に遺留分を侵害するような内容の遺言書であっても、相続人によって遺留分が行使されないことが条件となります。

 

 このように遺言書には一定の制約はありますが、それでも公正証書遺言を作成しておくことは意味があります。というのは、例えば特定の相続人に対してすべての財産を相続させる旨の公正証書遺言を作成し、遺言執行者も当該特定の相続人に指定しておくことで、結果的に他の相続人に相続財産の存在も知られず、したがって、遺留分の侵害も知られずに、特定の相続人に対する財産の移転が可能になるからです。

 もちろん、このようなことがすべてうまく行くとは限りませんが、例えば被相続人が離婚をして数十年もたっているケースでは、前妻の子と後妻の子同士に面識もない場合があり、このような場合、被相続人が亡くなっても前妻の子には相続が発生したことが分からない場合があります。もし、このような場合に公正証書遺言があれば、遺言書どおりの相続がなされ、遺留分も行使されずに終わる可能性がありますが、遺言書がない場合は遺産分割を行うために前妻の子にも相続の発生を知らせなければならなくなります。

 公正証書遺言を作成しておくことは、他の相続人に自分が亡くなったことや、相続財産を知られないようにする意味を持ち(ただし、相続人は公証役場に問い合わせて公正証書遺言の有無や内容を知ることはできます)、これは相続を受ける相続人にとって意味を持つことになります。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2014.09.18更新

よろしくお願いいたします!

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

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