「なんでも相談できる」弁護士を目指して。

2015.08.27更新

 ある高齢者が金融機関の職員に騙されて多額のお金を詐取されたケースでした。

 その高齢者からの依頼を受け、その職員の務めていた金融機関を相手に損害賠償の調停を起こしましたが、被害総額を立証する資料が乏しいケースでした。金融機関側は立証資料が少ないことから損害賠償に消極的であり、調停は行き詰まった状況でした。そこでその高齢者が日記代わりに吹き込んでいたカセット式の録音テープがあったことを思い出し、もしかしたら、そのカセットテープに被害状況や被害金額を表すものが吹き込まれている可能性があると考え、そのテープを反訳し、資料として提出することを試みました。

 録音テープは60分くらいのもので100巻以上あり、大部分が日常の何気ない出来事を吹き込んでいるだけのものでした。ただ、その中に金融機関からいくらのお金をおろし、それを加害者の男に渡したことなども吹き込まれている個所を見つけました。そこで、それらの個所を膨大な時間と労力をかけつつ丹念に拾い出す作業を繰り返し、結果、金銭交付状況を述べている部分を特定し、その部分の反訳と録音テープの該当箇所を示す資料を録音テープとともに提出することができました。

 金融機関側は本件テープの信用性、つまり、これが日常の出来事をそのまま述べたものであることについて特に争わなかったため、結果、損害総額の証明が相当程度なされたことを前提に、当初想定をしていた金額よりも何倍も多い金額で調停を成立させることができました。

 本件では依頼者の方が自分の受けた被害額を簡単に証明できないほど高額の資産家であり、かつ、金融取引も極めて多い方だったので立証の困難が生じたケースでしたが、労をいとわず、あきらめずに地道な努力を続けたおかげで高額の賠償が得られたケースでした。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.08.19更新

 借地上建物の譲渡をする場合、借地権者である建物所有者は地主の承諾を得る必要があるのが通常です。この際、地主からは承諾料と引き換えに譲渡の承諾を得ることになると思いますが、この地主からの承諾を得られない場合や承諾料で折り合いがつかないような場合、借地権者が裁判所へ申し立てることによって地主からの譲渡承諾に代わる裁判所の許可を得ることができます(借地借家法19条1項)。この場合、裁判所が適切な譲渡承諾料を定めることなどにより、この承諾料の支払いと引き換えに譲渡承諾がなされたことになります。

 本件でも依頼者である借地権者が地主の承諾を得ようとしたところ、これが得られなかったため、裁判所に対して譲渡承諾許可を求める裁判を申し立てました。

 ところで、この裁判中、地主側は第三者への譲渡に反対し、譲渡するのであれば第三者にではなく、自分に対して譲渡して欲しいと言いました。譲渡許可承諾の裁判中に地主からこのような申立てがなされると、裁判所は相当の対価を定めたうえ、地主への譲渡を命じることができます(借地借家法19条3項)。これは地主側の介入権と呼ばれるものであり、本件でもそのような申立てが地主側からなされました。

 その後、地主側と譲渡額を定めるための話し合いを行い、いろいろと紛糾はしましたが、結果的に譲渡額が定まり、地主への借地上建物の譲渡をする内容の和解が成立しました。

  このケースでは地主からの承諾を得られない状態の中で、思い切って譲渡承諾許可の裁判を申し立てたことによって双方にとってよい解決に導くことができました。

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

2015.08.13更新

 相続財産が自宅だけという場合の遺産分割あるいは遺留分請求のケースも珍しくありません。私も何度かこのようなケースに携わってきました。

 この場合、基本的に自宅を相続する人が他の相続人(あるいは遺留分権利者)に対して、代償金を支払うことによって遺産分割を行います。この場合の代償金は、自宅の価値を算定したうえ、それに対する相続人の相続分(あるいは遺留分)に相当する分を金銭で支払うことになります。私の関与したケースでは、代償金を支払う人は、自宅を担保にして金融機関から金銭を調達し、これを代償金の支払いに充てました。

 相続分や遺留分は通常は争いがありませんから、問題になるのは不動産の価格の算定方法や金銭の調達方法です。これらの問題を解決することができたことで、相続財産が自宅だけの場合の遺産分割も何とか解決に導くことができました。

 

投稿者: 弁護士 内藤貴昭

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